朝ごと日記

自然に近い環境で暮らし始めました。毎朝のできごとを記していきます。

巨人さんの石

朝7時。雨があがったので庭に出る。土嚢袋15袋開封。こぼれでている土壁の土はシャベルで移動させる。雨でぬれてしまった土壁の土はねちょねちょになってずっしり重い。カラカラに乾いたものもある。ねちょねちょとカラカラを混ぜる。そもそもこの土壁の土、どこから来たのかな。モルタル用の砂の袋には三重県鈴鹿市と書かれていた。いろんな場所から来た土がこの場所で混ざって畑になる。ありがとうございます。以前、この庭には藁ぶき屋根の家が建っていたそう。そして牛が一頭いたんだそう。その頃の時間もこの場の土になってるんだな。水道管の工事をしてもらっていた時、地中に大きな岩があることが発覚した。その時は全貌は見えないままだったけど、すごい塊だった。ちょっとだけ移動して水道管を通すかという話にもなったけど、地上に引き上げてもらうことに。昔むかしからここに埋まって真っ暗な世界で生きてきた岩が、いきなり光のある世界へ。明るくなってぽかぽかしたり暗くなって涼しくなったり。地中では聞こえなかったいろんな音も温度も風も。人間とか車とか初めて見ましたか?あのひらひらして浮かびながら動いているのはチョウチョです。空から突然すーいと降りてきていろんな声で歌っているのは鳥さんたちです。おとといと昨日、空からずっとぽたぽた落ちてきていたのは雨です。今日は燃えるゴミの日で、ゴミを出します。人間は生きているだけで毎日必ずゴミというものを出します。どんな気持ちですか?ここどこ!?ここ何!?って、ただただびっくりしましたか?偶然の出会いにこの家の神様になってもらった。巨人さんの石。私はもしかするとこの石の声に呼ばれてこの場所を選んだのかもしれない。作業を終えてシャベルを洗い終わって、この石とたくさん話をした。

f:id:makkimakkoi:20210430110347j:plain

地上に現れた巨人さんの石

 

 

仲間がまた増える

昨日と今日ずっと雨降り。湿度は朝7時半で、昨日は65%、今日は77%。挿し木を管理しているので温度と湿度のチェックは毎日欠かさない。湿度があるのは挿し木にとっていいことなので、挿し木の根っこのことを思うと雨降りでも嬉しい。外の作業はあきらめて納戸の整理や家の片づけをする。小さな花瓶たちを土間と外を仕切る波板壁の桟に置いた。小さいけどそこにいる存在感がすごい。やわらかい形状のシルエットにうっとり見惚れる。解体現場で土に埋まっていたもの、道ばたに落ちていたもの、海外の蚤の市で見つけたもの。土間にまた仲間が増えて心強い。この家が私の一部になっていく、そんな感じ。幸せとしか言いようのない瞬間。

f:id:makkimakkoi:20210429203426j:plain

この家の住人がまた増えました

 

土壁、砂、鳩、川、名前が分かった植物さんたち

朝7時半。いつもの通り土嚢袋に入った土壁を庭に放っていく。10袋。その後、砂の山から砂を一輪で移動させ、さっき放った土壁の土に混ぜていく。あ、肌にあたる太陽の感触が昨日とはちょっと違うな。土嚢袋に入った土壁たち、早く外に出して!と言ってるみたい。外はいいよ。空につながってる。風が気持ちいいんだから。他の種類の土と混ざって、きっと気分がよくなる。長靴とシャベルを洗って一息。あ、久々に鳩の鳴き声。この辺で鳩見かけないな、そういえば。川の音。裏勝手口の近くに生ごみを埋める。そのあたりで出会った植物さんたち。名前を調べた。左から、コスズメガヤ、ミミナグサ、カキドオシ。次どこかで遭遇した時は名前で呼ぶね。

f:id:makkimakkoi:20210427114706j:plain

名前が分かった植物さんたち





植物さんとの再会

朝7時半。庭へ。今日は昨日の円形劇場を18個の土嚢袋を長方形に置いて囲んでみる。一つずつカッターで開封していく。土間を作ってもらった時に使った残りの砂を、土壁の山と山の間にシャベルで挟み込んでいく。違う種類の土をスコップで混ぜていく時、あ、いた!久しぶり!去年の今頃、私は京都市内の解体工事が決まっている、とあるエリアで植物採集をし、その植物から出る色を糸と布に移し変えていた。その時に出会った植物さんたち。キュウリグサアメリカフウロキキョウソウナズナオニタビラコ。ここでも会えた。名前が分かるととても嬉しい。小瓶に入ってもらって、再会した植物さんを眺めながら1年前のことをいろいろ思い出した。明日はまだ名前の知らない植物さんに会おうっと。

f:id:makkimakkoi:20210426093504j:plain

四角で丸を飲み込む

f:id:makkimakkoi:20210426093538j:plain

違う場所で再会

 

ロウィーナ・ケイドさん

7時半。お庭へ。今日は雨に濡れて重くなった土嚢袋を開封することに。円形に並べてみようっと。20個の土嚢袋で円を描く。その後一つずつ開封していく。あ、墨汁みたいな匂い。あ、マイタケみたいな匂い。米袋が崩壊してボロボロ落ちてくる土壁はシャベルで1すくいずつ運ぶ。イギリス・コーンウォール州にあるミナックシアターという野外劇場を、50年かけて庭師の人と一緒に作り上げたロウィーナ・ケイドさんのことを思いながら作業をした。最後に20個のこんもりした小さい山を足でならしていく。巨人さんになった気分。離れてみてみたら土俵みたいになってた。で、もちろん、ほど遠いけど、ちょっとだけほんのちょっとだけミナックシアター。そんなことを思っていた8時半。昨日のクマバチが来てくれた。

f:id:makkimakkoi:20210425090906j:plain

土俵とミナック・シアター

 

朝の1時間

8時半からお庭へ。家の改装で壊した土壁が詰まった土嚢袋を開けて、いずれ畑にするところにまいていく。ざっと200袋くらいの土嚢袋。今日から毎日朝1時間かけてやっていく。1袋づつカッターで切り目をいれて。中から見える元土壁は、いろんな表情をしていた。解体をしてくれた人たちが詰めていってくれた時間。この土壁を作った職人さんの姿。ここに畑ができて野菜たちがぐんぐん育っている景色。どれも見たことないけど想像した。いろんな声が聞こえたような気がした。クマバチが一匹ずっと近くにいた。かくっと方向転換したりして私のこと監視してるみたいだった。守ってくれてた?あっという間に1時間たった。23袋開封。そっか、家がひんやりしている午前中はお庭で体を動かして、家の中がぽかぽかになる午後に仕事をする。これ決まり。

f:id:makkimakkoi:20210424165402j:plain

土壁が土に戻る